トルマリンは複雑な化学組成を有する珪酸塩鉱物で多くの端成分が知られている。また、これらが複雑に固溶体を形成するため、厳密に鉱物学的な分類を行うのは極めて難しい。
銅(Cu)は
花崗岩のような珪酸分の高い地層には含まれず、 トルマリンなどの花崗岩ペグマタイトには検出されなかったが、ブラジルのパライバ州では25億年前の鉱床に5億年前、花崗岩岩脈が貫き、ペグマタイトが出来たと考えられる。
宝石変種のトルマリン中で最も人気の高いパライバトルマリンは鉱物学的にはエルバイトであるが、その産地に因んで
" パライバ " トルマリンと呼ばれるようになり 他のエルバイトトルマリンとは区別される程の優れた価値観を認められている。
トルマリンは世界中で産出される宝石だが、銅成分を大量に含んだ『パライバトルマリン』の産地は、ブラジルの狭い地域に限定される。(ナイジェリアは
カンブリア紀後期 にほぼ近接していたためか、パライバに似たものがが産出されているが、マンガン含有量が高く色の違いが懸念される。)
その供給量は年々に減少を続けており、既に枯渇したとの噂も囁かれる程である。
液状や液膜状という不純物が多く入りやすい宝石で、サイズが1CTを超える美しい宝石は稀産となる。
パライバトルマリンを評価するポイントは、独特のネオンカラー(蛍光色)で、美しく力強い輝きを放つ点。色相は、ブルーからグリーンまで幅広い。
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